骨格標本の3Dモデルを作成してみました
- 保全生物学研究分野
- 2020年9月3日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年9月4日
こんにちは。修士2年の本橋です。みなさまいかがお過ごしでしょうか?
僕は8月の頭に哺乳類研究交流会という、普段は北海道周辺にある大学に所属する若手研究者&学生の研究交流会の場に参加させてもらいました!
これが初めてのオンラインでの発表というものあり、とっても緊張しましたが、年代が近い方々の研究話を聞くことができ、モチベーションが上がりました。
またこの機会に、普段行ったことがないような学会やイベントにもいろいろ参加してみようかなぁと考えてたりしています。
そして、このコロナ禍の中、いつもは対面で行う実習も思うように実施できないこともしばしば…。
この事態を可能な限り改善したい!という一環で、自宅でも学習ができるような教育教材の開発を目的に、保全で動物の骨格標本の3Dモデルを作成しています。
作成工程としては
①3Dスキャナーで標本を撮影、②撮影した3Dモデルを編集、③編集した3Dモデルを3Dプリンターで印刷、という至ってシンプルで簡単!・・・と言いたいところですが実は奥が深そうなのです。
例えば、骨格標本は、オモテとウラ(頭頂部側と基底部側)で構造が異なっているので、どちらかを底面に置いて撮影してしまうと、底面部はフラットな3Dモデルになってしまいます。なので、両方を一度にスキャナーで撮影できるるベストな方法はどれだろう…と試行錯誤しています。

撮影風景。標本はツキノワグマ。
右手に持っているのが3Dスキャナー。

撮影してできた3Dモデル(カモシカ)
発砲スチロールに園芸用の支柱を立て、それに標本を掛けてみると、比較的全体が撮影できることがわかりました。
ここからソフトを用いて必要のない箇所を除去していきます。

印刷用に編集した3Dモデル。
3Dモデルができた時点でワクワクが止まりませんでした。

印刷風景(こちらはニホンザル)
最終的に印刷した3Dモデルがこちら(テストランだったので色が紫なのはお許しください)。カッコイイですね!そしてとっても軽い!

左から、ニホンザル、ニホンカモシカ、ニホンツキノワグマ。
頭蓋骨の最大幅(頭の後ろから先端まで)を10cmに統一して印刷してみました。
下の写真は、撮影に使った標本と印刷物を一緒に撮ってみました。

作ってみた体感としては、全体の特徴はとらえられている一方で、歯や鼻の中の構造はうまく表現できていない部分もあったり…。もっと改善が必要です!
このように、コロナ禍でも授業を楽しく、よりわかりやすく実施できるように、先生方が中心となって様々な試みを行っています。
大学院生も、学部生が野生動物の面白さ、多様性などにより関心が持てるようにチャレンジ&サポートしていきたいです!
Comments