保全だより~自宅作業編~
- 保全生物学研究分野
- 2020年5月1日
- 読了時間: 4分
みなさんこんにちは。修士2年の本橋です。
保全に限らず、大学自体が学生の登校がしにくい状況となっています。
フィールドワークや研究室のイベントがないのでブログが滞っていましたが、今回は僕のコロナ対応の自宅での研究や作業などを紹介をしていきます!
基本的に僕も自宅待機をしているひとりで、主に自宅にあるPCで作業や論文を読んだりしています。
去年中古で安めのデスクトップを買ったのですが、これが大活躍しています。
こうなると、研究室での作業環境とほとんど違いがないので、あまり支障はありません。(元々ラボワークをしないタイプなので尚更ですが)
ですが、やはりメリハリがつきにくいのは確かにあります。通学することが自然とスイッチの切り替えになっていたんですね。1週間変わらない生活をしているので、曜日感覚が鈍ってきていて危機感を感じています。
研究室の打ち合わせなどもオンラインでのものが多くなりました。当分ゼミもweb上になるとのことなので、慣れておいた方がいいなと思い、4年生と勉強会をやっていたりもしています。結構やりやすかったです!
また、僕は何かしらの音がないと集中ができないタイプなので、動画やラジオ、レコードプレーヤー(最近買いました)とかで音を流しっぱなしで作業をします。
あとは圧倒的に本を読む時間が増えました。もともと本を読むのが好きなのですが、
作業での集中が切れたときにも読むので、とてもページが進みますね(いいことなのか…?)
また、面白い発見もありました。
iEcologyと呼ばれる研究手法を知っていますか?
簡単に説明すると、従来から蓄積されているwebデータを用いて、自然界のパターンやプロセスを定量化することを目的とした研究手法の概念です。
近年、データのデジタル化やオープンソース化が進んでいるため、低コストで膨大な標本を入手できる世の中になった今ならではの研究ですね。(iEcologyのレビュー論文のリンクはこちら)
webデータを用いた生態学的研究は、日本でもいくつか行われていたりします。
例えば、動物園と動物アニメが市民の絶滅危惧種への関心や寄付などの行動に与える影響を調べているものや、(けものフレンズが扱われたことで話題となりました)
ヒアリの侵入に市民の関心がどのように変動し、どのような情報に影響するかを調べているものがあります。
両方のリンク共に、英語論文の日本語解説になっていますので、ぜひご覧ください!
どちらもgoogleやWikipediaなどの検索数に着目しています。
フィールドワークやラボワークが思うようにできない今、このような研究もトレンドになりそうですね!
最後に、最近読んで面白かった本を紹介して終わりにしますね!お時間あれはぜひ読んでみてください!

・動物園にできること 川端裕人
ノンフィクション作家である川端裕人さんが、動物園の存在意義や、日本における動物園の経営や飼育の現状などを取材した本です。2019年にはニューヨーク・ブロンクス動物園にフォーカスを当てた本も執筆されています。こちらも併せて読むとなお知識が深まります。
・ペンギン、日本人に出会う 川端裕人
メディアなどでもよく出てくるようなペンギンってなんで日本で人気なんだろう?なんで日本人がペンギンをかわいいと思うんだろう? ペンギンが日本に来た経緯やエピソードを取り上げたルポタージュです。
・フタバスズキリュウ もうひとつの物語 佐藤たまき
首長竜研究者である佐藤たまき先生が、研究者になり、フタバスズキリュウを名付けるまでを書いた自伝です。研究で生きていく楽しさだけでなく、困難だったことも取り上げています。僕はこのような研究者の方々の自伝がとても好きで、集めています。
・動物殺しの民族学 シンジルト・奥野 克巳 編
動物が関係する社会学や民族学に興味があったので読んだ1冊。宗教や儀式で動物がどのように扱われるか、国それぞれに動物観の違いなどが紹介されています。同じ動物殺しでも、屠畜にフォーカスを当てた世界屠畜紀行(内澤旬子 著)も併せて読むとよりヒトにおける動物への捉え方の多様性が見え、勉強になります!
みんなで協力してこの情勢を乗り越えましょう!
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