新しいジャーナルの誕生
- 保全生物学研究分野
- 2019年8月2日
- 読了時間: 3分
こんにちは、助教の嶌本です。
我が研究室のボスである山本先生がスコットランドへ旅立ってから早くも2か月が経過しました。
今月末に帰国と思うと、あっという間に感じます。
ボス不在で一時的に仮ボスになりましたが、なんとか前期が終わりほっとしています。。
学生さんもお疲れ様でした。さてさて、研究頑張るぞ~
今日は新しいジャーナルを紹介したいと思います。
アメリカには統合・比較生物学会(The Society of Integrative and Comparative Biology、略してSICB)という学会があるのですが、新しくオープンアクセスのジャーナル(誰でも見ることができます)を出版し始めました。
Integrative Organismal Biology(IOB)というジャーナルで、第1巻の1号が出たばかりです!
まだ論文があまり出ていないのでどんな雑誌なのかは正確にはわかりませんが、HPによると焦点を当てているのは「the field of integrative and comparative organismal biology」だと書かれています(下図はHPのトップ画面)。

これはどういうことでしょうか?記事を読んでみましょう。
IOBの記事によると、「遺伝子や生理・生化学、物理学などの分野がOrganismal biologyに興味が改めて向き始め、Organismal biologyを中心に据えたジャーナルがあってもいいだろう」と書かれています(誤訳していたらすみません、、、)。
英語の表現を日本語にするのは難しいですが、ここでいうOrganismal biologyというのは行動や運動器官だけではなく生理や遺伝子などを個体レベルで扱っていて、生物が生物として生存していく上でこれらが外環境でどのように機能していくのかということを明らかにすることのようです。
更に、生物の進化や適応に着目し、これらを幅広いアプローチによって明らかにすることを一つの目的としています。
元々この目的はSICBという学会が目指しているもので、Integrative and Comparative Biologyというジャーナルを発刊していましたが、最近は特集号がメインのようで(学会のシンポジウムのまとめ?)、それに代わるジャーナルなのかな?という印象を抱きました。
日本ではSICBに類似する学会はなく、学問分野としてはまだまだ未発展と言えるでしょう。
僕の興味でもある生理生態学も日本ではあまりないですが、アメリカではSICBの年次大会で生理生態学の研究が数多く発表されているみたいです。いつか参加・発表してみたいですネ・・・。
ちなみに、日本にも比較内分泌学といった分野はあり、本も出版されています。
名前の通り内分泌にかなり焦点が当てられていますが、生物の環境順応の生理メカニズムが書かれていて、なかなか面白いです。
魚類の浸透圧やpH調節などのメカニズムはかなり興味深いと思いました。
そのうち研究してみたいかも・・・?なーんて。
いずれにせよ、国外では新たな動きがあり、新しいジャーナルが発刊されるということは度々あります(数年前はConservation Physiologyが発刊され始めましたね)。
こういった動向にもアンテナを張っておき、自分の研究に役立て、いつか投稿できるようになりたいですね。
前期も終わり、研究する時間がとりやすくなるので、学生さんたちと頑張っていきましょ~!
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